器・つくる人使う人展8/2~8/12
1年をかけて準備してきた企画が無事終了しました。
会場に足を運んでいただいた皆様、こちらのサイトを見ていただいた皆様、御礼申し上げます。
この展示会にいたる過程を、企画立案者でありファシリテーターとして私たちをまとめてくれたギャラリー・リブアートの米田満千子さんが「ごあいさつ」として文章にしてくれました。
ごあいさつ
料理研究家・池内久江と岡田智恵・遠藤愛・中村智子・橋本美貴子の4人の陶芸家によるコラボレーション「器つくる人つかう人」展が1年の準備期間を経て、ようやく開催の運びとなりました。
モノづくりのプロ達は、まだ見ぬ誰かに届けるために、日々、作品を作り続けています。たった一人の「わたし」から不特定多数の「あなた」へ。
殊に、作家性を強く打ち出している作家にとって、制作とはなんて孤独な営みなのだろう。様々な作品展で同世代の陶芸家と交流する中で、幾度となく、そんなことを思うことがありました。
ならば、<無数のあなた>の照準を、思い切って、器を「つかう」プロの目線に合わせてみたら、一体どんなことが起こるだろう。わたしのそんな、好奇心と思いつきから生まれたのがこの企画です。
何もかもが手探りだったある日、池内さんが、自身の蔵書の中から、作家の一人一人に向けて、写真本を持参してくださいました。アート、デザイン、ファッション、建築… 池内さんの豊かな見識と芸術全般における興味の広さ、何より、とびきりチャーミングな大人の遊び心を彷彿とさせるセレクト。企画が本格的に始動したのはこの時からでした。
会場の通路には、蔵書と共に、そこからインスピレーションを受けた作家たちの作品の一部を展示しています。 ぜひ、本のページへのージをめくってみてください。どれもとても面白い内容ですし、作家たちとの交流の中で、池内さんがとても早い段階で、それぞれの本質的な魅力を見抜いていたことがよくわかります。
それから、それぞれがそれぞれの個性を見失うことなく、全力で応答した、作家たちの根性の賜物である、愛すべき器たちもぜひ、ご覧下さい。その器のひとつが、日々の暮らしの小さな潤いとして、たった一人の「あなた」のもとへ届くといいな。
ギャラリー・リブアート 米田満千子
過大なる評価をいただき、恥ずかしいような嬉しいような。
面の皮の千枚張りとのそしりは免れないかもしれませんが、この文章をいただいただけで今回の企画の1年は報われたと思っています。 大切な宝物です。
買い手は「好き」「きらい」でモノを選びます。
売り手は「売れる」かどうかで選びます。
つくり手は自分の「好き」をかき集め、自分の技量の拙さを時には呪いながら、カタチにして、「選ばれるとき」を待ちます。
私は実際にモノをつくることはできませんが、「つくり手」側にいて、器たちが「選ばれていく」場面に立ち会えて、幸せでした。
大人に、大人になったら、大人だからこそ使いたい器。
甘くて、ちょっとエッジが効いてて、ホントに実直な器。
岡田智恵
遠藤愛
中村智子
橋本美貴子
4人の「根性の賜物」の一部です。
進化は続きます。