3月の料理教室
2020/3/28
新型コロナウイルス感染拡大により、生活に影響を受けられている皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。
一日も早い感染の収束を願うばかりです。
当料理教室にも予想以上の影響があり、驚いたり、戸惑ったりの状況の中、皆様からの励ましや応援を得て3月の教室を行うことができました。感謝申し上げます。
日々刻々と伝えられる情報の中、パニックに陥ることなく、正確な情報を選び、冷静に判断することの難しさを感じています。
ウイルス報道で混乱したまま庭に出ると、春が深まっていました。
黄色の花から始まった春が、ホワイトとブルーの花に移行中。
昨秋に多めに球根を植えたヒヤシンス。花房がぎっしりと詰まって支えが必要なほどの重さです。去年よりブルーが増えたポピー。リナリアはヒメキンギョソウとも呼ばれ、小さな紫色の花を穂状に咲かせます。
葉っぱの色も淡いグリーンから多彩なグリーンに変わってきました。
雑草も勢いを増して(ため息)忙しい季節に突入。 情報に翻弄されて息が詰まりそうなときは、没頭できる肉体労働が一番の薬になりそうです。
今月は春の素材でイタリアン&フレンチ。
菜の花とトマトの春のカプレーゼ
菜の花の苦みがモッツァレラチーズと好相性。 出回り始めたフルーツトマトと合わせて春のカプレーゼをつくりました。
エディブルフラワーを添えてオードブルに仕立てました。
芽キャベツ、蓮根、蛸のハーブマリネ
最近店頭でも見かけるようになった芽キャベツ。 小さな球体にキャベツの香りと歯ごたえ、微かなえぐみがギュッと詰まっています。
縦2つに切って下茹で後、フライパンでじっくり焼くとその旨みにびっくり。蓮根、蛸と合わせてガーリックオイルで炒め、最後にタイムの香りで仕上げます。
芽キャベツも蓮根もボリボリ噛んで楽しむ一皿。
サーモンと海老のクネル、アスパラガスのクリーム煮込み
クネル(quenelle)とは、フランスのリヨン発祥と言われる魚料理です。
魚のすり身を茹でて作ることから「洋風はんぺん」と評されることもあります。
現地ではカワカマスのすり身と卵、パン粉、バターなどを合わせたパナードと呼ばれるつなぎで生地をつくります。
サーモンと海老で淡いピンク色の生地を作り、クリームソースで軽く煮込み、最後にグリーンアスパラガスを加えて、春らしい一皿をつくりました。
スフレのようにふわふわとした食感と酸味の効いたクリームソースの相性はピッタリ。アスパラガスだけでなく、空豆やブロッコリーもおすすめです。
チーズ3種
セージダービー、ブルー・ドーヴェルニュ、パカリ・エージド・チェダー
3種のチーズを春を意識して盛り合わせてみました。
*セージ・ダービーSage Derby(英産)若草色の大理石模様のチーズ。
イギリスには「長生きしたければ、春にセージを食べろ。」ということわざがあるそうです。
セージには抗菌作用があることから、古くからつくられてきたダービーと組み合わせて健康を意識しつつ視覚的にも印象的なチーズがつくられました。ハーブのさわやかな香りとまろやかなコクで人気の品。
*ブルー・ドーヴェルニュBlue d’ Auvergne (仏産)フランス、オーヴェルニュ地方のブルーチーズ。
ねっとりとしてクリーミー、ブルーチーズ初心者にもおすすめのチーズ。
ドライフルーツやナッツを練り込んだパンと合わせると美味。
*パカリ・エージド・チェダーPAKARI Aged Cheddar(ニュージーランド産)
チェダーはイギリス発祥のチーズ。世界各地に移り住んだ移民たちの手でそれぞれの地でつくられるようになりました。
このチーズは18か月熟成(aged)したもの。
料理に使ったり、パンにのせたりするときは熟成期間が短いものがあっさりしてるし、値段も手ごろです。
チーズの醍醐味を圧倒的に感じさせるのは長期熟成ならでは。固くしまった食感と牛乳のコク。合間に空豆をかじって春の香りを添えます。
レモンカードのヴィクトリアケーキ
ミモザの花咲く季節には黄色スウィーツが作りたくなります。
そこでレモンの季節。 レモンカードを作り、ヴィクトリアケーキに挟みました。
ヴィクトリア女王に捧げられたケーキと言われるヴィクトリアケーキはスポンジケーキの間にラズベリージャムを挟むのが基本のスタイル。
初めてヴィクトリアケーキを食べたとき、その素朴さゆえ、『イギリスはまずい。』というフレーズを思い出してしまった。 日本のショートケーキのほうが断然おいしいと思ってしまったのは若さゆえ?
レモンカードのcurdとは「凝固する」という意味。
レモン果汁、バター、砂糖、卵を合わせて湯煎にかけ、とろりとペースト状にしたものです。
お菓子も長年作っていると自分好みに調整できるようになってきます。
私なりの“ヴィクトリアケーキ2020”焼いて2枚に切り分け、レモンカードを塗り、ラズベリーの実を散らし生地を重ねる。仕上げに粉糖を振っています。
食べるとレモンカードの酸味で、あごの奥の方がキューとしたりします。
これぞレモンの醍醐味!(笑)
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