11月の料理教室
2022/11/23
空が澄んで高くて、見惚れるほど紅葉は美しい。
今月は晩秋の和食。
紅葉狩りを夢見て、小さなお重を取り出してみました。
まずは前菜に和え物から。
柿、帆立、椎茸、銀杏のおろし和え
帆立と椎茸はグリルで焼く。
銀杏は殻を剥き、下茹でして薄皮を取り除く。これが一番の手間仕事と思いつつ秋になると必ずする作業。 一応料理教室なので。 今年提案した道具は銀杏割り器、肉叩き、木槌。 相性の良いモノを探してみてください。
大根おろしの水気をきり、ポン酢で調味し切った素材を和える。
千切りした柚子の皮を天に盛る。
当たり前の取り合わせだけど、柿の甘さ、椎茸の香ばしさ、帆立の旨み、大根おろしの控えめな辛みがすべての具材をまとめ上げてくれる。
刻み昆布と薩摩芋の煮物
寒くなってくると芋類が煮たくなる。
海藻と芋。なんともひなびた風情がこの季節に相応しい気がする。
お出汁で戻した昆布をゆっくり煮てから、薩摩芋を加える。
赤い皮と黄色の中身の可憐さもお気に入りの理由。
昆布と煮汁が残ったら、厚揚げを加えて、素知らぬ顔で別皿に仕立てよう。 それも知恵ナリ。
豚汁の沢煮仕立て
だし汁に塩と醤油で味付けした透明な豚汁。
思いのほか好評でした。
アクと余分な脂を取り除くため、細切りした豚肉を別鍋で下茹でする。
野菜類を丁寧に繊細に切る。
寒い朝、こんなお椀で一日をスタートさせるのはいかが?
牛肉の味噌漬け
菊花ごはん
お重の上の段に牛肉と蓮根の味噌漬け、下の段に菊花ごはんを物相で抜いて盛りました。
牛もも肉のかたまり肉を6つに切り分け、薄切りした蓮根と共に味噌床に、1日漬けました。
作業性を考え、味噌、ガーゼ、肉、ガーゼ、味噌、ガーゼ、蓮根、ガーゼ、味噌と9層のレイヤーになったものをラップで包み冷蔵庫で漬ける。
味噌床から取り出した牛肉と蓮根の水気を拭き取り、フライパンで焼く。 実は味噌をまとった牛肉は焦げやすい。 注意深く焼いたらローストビーフと同様にアルミホイルに包んで保温。 粗熱が取れたら切り分ける。
魚や豚肉の味噌漬けは度々つくってきましたが、今回はローストビーフ用の牛肉を使って贅沢に。
来年のおせちに入れてみようかなぁー。
食用の黄菊の花びらを茹でて、炊き上げたごはんに混ぜる。
ボウルに準備した大きな菊の花を見て、首をかしげる方多数。
刺身のつまに飾られている小さな菊とは別物の存在感。
サラダに飾るエディブルフラワーは慣れていても、花びらを茹でてお浸しや酢の物にすることは初めてとの声もありました。
食用菊は主に山形、青森、新潟で生産され食べられています。
今回使った黄色の菊は「安房宮」と言われる品種で、他に紫色の菊「延命楽(別名:もってのほか)」という品種が有名です。
食用菊と観賞用の菊の違いは食べて美味しいかどうからしい。(笑)
食用菊は食べやすく品種改良され、出荷前に消毒されているからご安心ください。
なにより、この色と香り、独特の食感を楽しんでいただけると嬉しい。
あずきの蒸しケーキ、きな粉クリーム添え
市販の粒あんに卵と生クリーム、上新粉を加えてパウンド型に流し入れ、蒸籠で蒸す。
あっさりとあんこを楽しむ和風ケーキです。
ホイップクリームにきな粉とラム酒を加えて季節の果物を添えてデザートに仕立てました。
やっぱり、みんな『あんこ』好きでした。
お皿はフランスのレイノー窯RaynaudのMarquises et Mandarinsシリーズのもの。なぜか中華や和のもの盛りたくなります。
今月の器
白磁大鉢 豊田恭子
六角重 山田平安堂
淡青小鉢 中村智子
翡翠釉小皿 Siam Celadon(Thailand)
多色深鉢 杉尾信康 銀彩深鉢 谷井直人
カルテットグリーン花器 楠田純子