New York 2019 ③ Guggenheim Museum
2019/4/30
Guggenheim Museum
グッゲンハイム美術館
高層ビルが立ち並ぶ5番街に、低層のカタツムリのような建物がある。
大富豪グッゲンハイムが創設。 印象派からキュビスムをはじめとする抽象画のコレクションが有名。
この建物は、アメリカ近代建築の父と呼ばれる建築家フランク・ロイド・ライトにより設計された。
Frank Lloyd Wright(フランク・ロイド・ライト)
1867年に生まれ91歳で亡くなるまで400余りの作品やプロジェクトを残した近代を代表する建築家。
日本でも、旧帝国ホテルや自由学園明日館は彼の設計に拠る。
生涯、自然と人間の共存を謳い、建築から家具に至るまで追求した思想は、後進の建築家、デザイナーに大きな影響を与えたといわれる。
私は小学生のとき、1枚の写真に目が釘付けになった。
『滝の中に家が建っている!』
ウイキペディアなど存在しない時代。小学生なりに調べてたどり着いたのが、
〝落水荘、フランク・ロイド・ライト”
1枚の写真は、世界の名建築を撮影したカレンダーの夏の月のものだった。
他の月の建築は全く記憶がない。
以来、記憶の奥底にこの『滝の家』は色あせながらも存在し続けた。
3年前に建築を生業とする高校の同級生が主催するツアーで北欧を旅した。
フィンランドの建築家アアルトの自邸&アトリエ、スウェーデンのアスプルンドが設計した森の墓地。
感動してしまった。
同級生と約束した。『次は落水荘!』
6月に彼女と落水荘(Fallingwater)へ行って来ます。
前置きが長くなりました。
この落水荘ツアーのための予習で、グッゲンハイム美術館を訪ねました。
五番街からのエントランス
上からドキドキしながら撮影。
こういう建物を構想することもすごいけど、建築家がつくったイメージを現実化する技師や職人達の能力に敬服。
吹き抜けの高い天井に向かって、ゆるやかならせん状のスペースに収蔵品が展示されている。
高いところが苦手な私はこのらせんの内側部分に立つとめまいがする。
渦巻き状になっているため、離れた位置からも見ることができる。
Fernand Leger (フェルナン・レジェ)
今回の展示で一番の感動。
抽象画が好きなわけではないけど、隣のピカソよりカンディンスキーより深く訴えられるものアリ。
数年前に南仏のレジェの美術館(フランス国立美術館なんです。)に行ったけどその時より良かったのです。
この建物と作品との相性もあるのかも。
らせん状のスペースを繋ぐように立っている柱の裏はトイレ。
各層ごとにあるので、意外に親切設計。
メトロポリタン美術館はあまりにも巨大すぎて、疲れ果ててしまいます。
コンパクトなグッゲンハイム美術館おススメです。
あっ、でもメトロポリタン美術館にライトが手がけた家の一部が展示されています。
旧帝国ホテルの内装に通じる、私たちが共感する空間がそこにあります。
美術鑑賞に疲れたら、目の前のセントラルパークを散策ください。
この辺りは、かつてジャックリーン・オナシス・ケネディがこの池の周囲をジョギングしていたというところ。
芽吹き始めた木々を背に、芝生の上では子供たちが飛び跳ねています。