2022年3月の料理教室
2022/3/19
コロナ感染者急増のためお休みしていましたが、3月から2022年の教室を開きました。
今月は「桜」をテーマとしました。
「春」とは言え、まだまだ寒いこの時期に、蒸籠(せいろ)を使う蒸し料理を提案しました。
教室では直径30cmの蒸籠を使用しています。
蛤と葱のぬた
蛤の潮汁
蛤(または浅蜊)を蒸し、汁と殻から取り出した身に分ける。
汁は、生湯葉とみじん切りした菜の花を具材として潮汁に。
葱を下茹でし、ぬめりを取り、若布と独活(うど)と合わせ、蛤の身と共に器に盛り、辛子酢味噌をかける。
ぬた和えを家庭でつくることはまれなようで、予想外の良い評価をいただきました。
「春は苦みを食う。」
子供の頃苦手だった食材が、好物へと変わっていきます。 嗜好は環境や経験によってつくられるということでしょうか。
鶏せせりと独活、菜の花の炒め物
「蛤と葱のぬた」に使った独活の残りと菜の花を、鶏のせせり(首の周りの肉)と炒めた物。
せせりの淡泊な旨みを春の苦みと共に楽しんでいただきたいと考えました。
焼き鳥屋さんで食べる「せせり」とはまた違った美味しさです。
豚肉と春野菜、薩摩芋の包み蒸し
豚薄切り肉に下味をつけ、薄切りした竹の子を巻き、下茹でした薩摩芋と共にオーブンシートで包み、蒸籠で蒸す。
春らしい表情を出したくてこごみを加えていますが、スナップエンドウなどの緑色の素材などでも。
包みを開ける瞬間、春の香り立ち上がります。お好みで黒七味を添えてお召し上がりください。
蒸しずし
蒸しずしは温すし(ぬくずし)とも言われ、関西以西で食べられている温かいばら寿司です。 寒い季節にほっこりしてしまう、呑兵衛にも酒後の一膳として喜ばれます。
すし飯に干し椎茸、かんぴょう、人参を煮たものを具材として加え混ぜ、ばら寿司をつくり、器に盛る。錦糸卵を散らし、海老と穴子を飾り蒸籠に入れて温め、器を取り出して甘酢生姜と木の芽を添える。
温かいお寿司は酢の香りもまろやかで、ひなの節句に優しさと華やかさを与えてくれます。
一世代前まで、お祭りやお節句にはばら寿司(ちらし寿司)がつきものでした。懐かしい場面を思い出し、お話が弾むかもしれません。
桜あんの蒸しケーキ
この季節に登場する『桜あん』(市販品)を使った蒸しケーキ。
和菓子の『浮島』と『かるかん』の中間のような優しい味わい。
温かい状態でも冷たいものも美味しい。翌日冷たくなったものは和菓子感が強い気がします。
試作を重ねる中、蒸籠を使い続けていると部屋が蒸気で満たされ、この乾燥しがちな季節に心までゆったりさせてくれることに気がつきました。
甘い香り、薄桃色、しっとりとした空気。
桜の便りも聞こえてきました。
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