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  2022年11月
2022年11月

11月の料理教室

空が澄んで高くて、見惚れるほど紅葉は美しい。

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今月は晩秋の和食。

紅葉狩りを夢見て、小さなお重を取り出してみました。

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まずは前菜に和え物から。

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柿、帆立、椎茸、銀杏のおろし和え

帆立と椎茸はグリルで焼く。

銀杏は殻を剥き、下茹でして薄皮を取り除く。これが一番の手間仕事と思いつつ秋になると必ずする作業。 一応料理教室なので。 今年提案した道具は銀杏割り器、肉叩き、木槌。 相性の良いモノを探してみてください。

大根おろしの水気をきり、ポン酢で調味し切った素材を和える。

千切りした柚子の皮を天に盛る。

当たり前の取り合わせだけど、柿の甘さ、椎茸の香ばしさ、帆立の旨み、大根おろしの控えめな辛みがすべての具材をまとめ上げてくれる。

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刻み昆布と薩摩芋の煮物

寒くなってくると芋類が煮たくなる。

海藻と芋。なんともひなびた風情がこの季節に相応しい気がする。

お出汁で戻した昆布をゆっくり煮てから、薩摩芋を加える。

赤い皮と黄色の中身の可憐さもお気に入りの理由。

昆布と煮汁が残ったら、厚揚げを加えて、素知らぬ顔で別皿に仕立てよう。 それも知恵ナリ。

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豚汁の沢煮仕立て

だし汁に塩と醤油で味付けした透明な豚汁。

思いのほか好評でした。

アクと余分な脂を取り除くため、細切りした豚肉を別鍋で下茹でする。

野菜類を丁寧に繊細に切る。

寒い朝、こんなお椀で一日をスタートさせるのはいかが?

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牛肉の味噌漬け

菊花ごはん

お重の上の段に牛肉と蓮根の味噌漬け、下の段に菊花ごはんを物相で抜いて盛りました。

牛もも肉のかたまり肉を6つに切り分け、薄切りした蓮根と共に味噌床に、1日漬けました。

作業性を考え、味噌、ガーゼ、肉、ガーゼ、味噌、ガーゼ、蓮根、ガーゼ、味噌と9層のレイヤーになったものをラップで包み冷蔵庫で漬ける。

味噌床から取り出した牛肉と蓮根の水気を拭き取り、フライパンで焼く。 実は味噌をまとった牛肉は焦げやすい。 注意深く焼いたらローストビーフと同様にアルミホイルに包んで保温。 粗熱が取れたら切り分ける。

魚や豚肉の味噌漬けは度々つくってきましたが、今回はローストビーフ用の牛肉を使って贅沢に。

来年のおせちに入れてみようかなぁー。

食用の黄菊の花びらを茹でて、炊き上げたごはんに混ぜる。

ボウルに準備した大きな菊の花を見て、首をかしげる方多数。

刺身のつまに飾られている小さな菊とは別物の存在感。

サラダに飾るエディブルフラワーは慣れていても、花びらを茹でてお浸しや酢の物にすることは初めてとの声もありました。

食用菊は主に山形、青森、新潟で生産され食べられています。

今回使った黄色の菊は「安房宮」と言われる品種で、他に紫色の菊「延命楽(別名:もってのほか)」という品種が有名です。

食用菊と観賞用の菊の違いは食べて美味しいかどうからしい。(笑)

食用菊は食べやすく品種改良され、出荷前に消毒されているからご安心ください。

なにより、この色と香り、独特の食感を楽しんでいただけると嬉しい。

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あずきの蒸しケーキ、きな粉クリーム添え

市販の粒あんに卵と生クリーム、上新粉を加えてパウンド型に流し入れ、蒸籠で蒸す。

あっさりとあんこを楽しむ和風ケーキです。

ホイップクリームにきな粉とラム酒を加えて季節の果物を添えてデザートに仕立てました。

やっぱり、みんな『あんこ』好きでした。

お皿はフランスのレイノー窯RaynaudのMarquises et Mandarinsシリーズのもの。なぜか中華や和のもの盛りたくなります。

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今月の器

白磁大鉢 豊田恭子

六角重 山田平安堂

淡青小鉢 中村智子

翡翠釉小皿 Siam Celadon(Thailand)

多色深鉢 杉尾信康 銀彩深鉢 谷井直人

カルテットグリーン花器 楠田純子


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10月の料理教室

年々厳しい暑さに翻弄され、「異常気象」と言葉が通常の挨拶となる中、久しぶりに秋ならではの景色や風を感じています。

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今月は栗。

中山町の栗農家さんを紹介いただき、直接購入。

初めての品種、紫峰。

小さな栗は料理に使ったり、マロンペーストにしたり、大粒の栗は渋皮煮に。

栗の渋皮煮、4回(合わせて7kg)つくりました。

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今月は韓国料理をイメージしつつ、メニューを構成しました。

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イカ、梨、芹とキムチの和え物

この季節に韓国料理をつくりたかった理由の一つは梨。

日本料理ではあまり使わない梨を韓国(朝鮮)料理ではよく使う。 たとえば、チョンゴル(韓国風すき焼き)。 5色の具材を揃えてきれいに並べた華やかな鍋料理である。梨は自然な甘みと酸味を提供してくれる。

キムチに代表される強い味わいが印象的だが、とても繊細な面ももつ韓国料理のセンスと知恵を拝借。

刺身用のイカを塩とごま油で調味し、梨、細葱、芹と和える。キムチは粗みじんに切り、具材と言うより調味料。辛いものが不得意な方でも箸が進むことを願い調味。

梨の季節が終わったら、ぜひ柿でお試しあれ。

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秋のナムル三種

エリンギのナムル、ひじきと赤ピーマンのナムル、小松菜のナムル

キノコ好きとしてはぜひオススメしたいキノコのナムル。

椎茸の香りが苦手でも、エリンギのこの食感にはきっと脱帽したくなる。

黒い食材というのはお皿に盛るとギュッと全体を締めてくれます。 食べ慣れたひじきはごま油との相性も良し。

緑の小松菜、茶のエリンギ、黒&赤のひじき&ピーマン。

野菜だけのひと品も、大皿に盛るとおもてなし顔に。

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余談ながら、今月はお皿とティーコーゼを柄合わせてしてみました。

どちらも”Blue Willow”と呼ばれるパターンを使ったモノ。

このウイローパターンは18世紀末から、世界中の様々な窯が作り出し、今なお作り出されている器。

窯によって少しずつウイロー(柳)の表情が違ったり、 船や建物の描き方が異なったりもしますが、基本的なモテーフは同じ。

柳の木、塔のある建物、堀、小舟、橋の上を逃げる2人、空には2羽の鳥。

お皿の中に中国の古い物語が描かれたモノが”ウイローパターン”なのです。

18世紀末の西洋の人々が東洋への憧れを元に生み出した英国生まれのデザイン。 今では、食器だけでなく暮らしを彩る雑貨にスタンダードな図案として採用されています。

この”ウイローパターン”を刺繍図案本で見つけ、ティーコーゼの柄に取り入れました。 教室でも人気のある柄です。

それにしてもこのお皿には、和食より中華やアジア諸国の料理を盛りたくなってしまうのはなぜなんでしょうか?

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 鰯のヤンニョムジャン焼き

塩焼きした青魚(秋刀魚、鯖、鯵など)に韓国の万能ダレ?ヤンニョムジャンをかけ香りが立つように再度焼きあげたもの。

塩焼き以外の焼き魚をお探しなら是非お試しあれ。

ヤンニョムジャンが残ったら、手羽先のマリネ液としてお使いください。

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いりこだしのわかめスープ

有名なわかめスープ。

あえて、いりこ(煮干し)だしでつくりました。

韓国の方に、出汁は鶏ガラかいりこでつくるという話を聞いたことを思い出しました。

「鰹節、韓国にはないからね。」

出汁の素材の違いが風味(文化)の違いとなる。なるほど。

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鶏とナツメの栗ごはん

家の庭にナツメの木を植えています。 たぶん気候が合っているようで育てる手間はかからず、毎年たくさんの実をつけますが、(サイズも美しさも市販品とは比べるべくもない出来ですが)収穫もその後の剪定も一苦労あります。

とげ!棘!

厚手のゴム手袋も突き破る硬さの棘が幹に枝にビッシリ。

ナツメ(棗)は文字どおり棘と共にある。

でも中国料理も韓国料理もナツメは薬膳料理の大切な素材としてその赤い色、甘み故でしょうか、重宝がられます。

今月は鶏肉で出汁を取り、その肉とナツメと栗を炊飯器に入れ鶏のだし汁でごはんを炊きました。

コクもボリュームもある栗ごはん。

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渋皮栗のバスクチーズケーキ

渋皮煮の栗をペースト状にし、クリームチーズ、卵、生クリームと合わせて生地をつくる。

型に生地を流し、渋皮煮の栗を埋めるように入れて焼き上げる。

バスクチーズケーキならではの表面の焦げが甘いケーキにほんのりと苦みを与え、大人のスウィーツとなる。てへっ!

栗の思い出が積み重なった2022年10月。

栗を扱うためにはもう少し握力強化しないとね。

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今月の器

ブルーウイローパターンの皿 Churchill(英国製)

白中皿 石岡信之

緑釉鉢 松村英二(余宮隆)

青釉筒椀 大原拓也

赤漆椀 山岸厚夫


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